泊まっているホテルのあるミンカイ通りと交差するディエン・ビエン・フー通りがハイフォンの中心。でも、中心だけど賑わいの中心ではない。通りに面しホテルが建ち並び、路地にはカフェが整然と並ぶ。さらに川沿いに進めば官庁街になる。しかし、商業地域はここではない。ついでにいえば、ハイフォンは観光地でもない。そんなこんなの条件が整ったおかげか、5年ぶりにハイフォンを訪れて、変わった、という印象はほとんどない。
国営百貨店は、外壁は塗り替えられているものの社会主義国らしさを存分に誇示し、ホテル街は一部高層化しているものの、なんともローカルで垢抜けない雰囲気は今も昔のまま。
サイゴンやハノイとは違う時間がハイフォンには流れているとしか思えない。(というかディエン・ビエン・フー通りの周りだけなのだが。)まるでエアポケットにはまり込んだような変化のなさは、あと20年くらいこのままだったら世界遺産にしてもいいんじゃない?と思ってしまうくらいだ。
果たしてどれくらいの人たちがハイフォン(くどいようだが、ディエン・ビエン・フー通り周辺のみ)の景観に価値を感じてくれるのだろうか・・・
(国営百貨店です。)
つまりはハノイが一昔前まで持っていた雰囲気に近いのかもしれない。バイクと車が異常にあふれかえりすぎたハノイは、すでにあの頃の魅力は持ち合わせていない。ハイフォンのこのエリアが今後も発展することなく、この姿を維持し続けることを旅行者の立場として勝手に願わせていただく。