夏の少年野球の合宿は、お茶から放射性物質が検出された、今話題の南足柄市で行われる。(去年もここ。)そこで、グランドの予約&視察、宿泊施設での諸々の打合せのために夫婦でやってきたというわけ。
神奈川県内で検出!それも合宿予定地で!なんて報道があっても、たいして動じることもない。もちろん、予定通り野球の合宿は行われる。原発事故から二ヶ月経っただけですっかり放射能慣れした自分たちの感覚が怖くもあるが・・・
そういえばつい先日、「実はメルトダウンしちゃってました」という発表があった。それに対する世論の反応は、「なんだやっぱり」程度のものであって、「えらいこっちゃ!」ではない。それは、告白しても怒りを買わない絶妙なタイミングだったからだ。もし、3月12日あたりに枝野さんが、水素爆発説明と同時に「メルトダウンしちゃってるかも知れない」と言っていたら、どうなっていたか?
降り注ぐかもしれない放射能から逃れるために首都圏を脱出する人はかなりの数いるだろう、買いだめだってあの程度のものでは済まないだろう。そう考えると、メルトダウンを否定し続け、水素爆発の説明に徹し、放射能の及ぶ範囲は限定的であり、健康被害も「ただち」にはでないという一連の枝野さんの会見は、パニックの発生を未然に防いだ確信犯的なものであり、それはお見事!といえるのではないだろうか?つまり、ウソだけど政府の対応としては間違っていなかったということ。
ドイツ映画に
「みえない雲」
というのがある。ドイツの片田舎で、ある日突然近くの原発が重大事故を引き起こす。主人公は女子高生。学校の授業中に突如避難が始まり、母親と合流できないまま、弟と二人避難を開始するが・・・、というのが出だしだ。
今回の福島と重ね合わせることができるシーンも多い。もし、気分的に耐えれそうなら見ていただきたい一本である。ちなみにわたしは、事故後に見直すということをまだしていない。
そんなわけで、南足柄合宿視察の旅は無事に終わった。
宿泊施設での説明会で、「お茶から放射性物質が検出されてご心配されている方もの多いかと思いますが、お茶以外の野菜等からはなにも検出されていません」との説明に一同安堵する。ホントにウソじゃないよね?と思いながら、問題ないという答えにすがってしまう心理である。
ユッケの食あたりはすぐに結果が出るけど、放射能の影響が人体に及ぼす結果が分かるのはまだまだ先のことだし、問題の先送りでとりあえず安心感を得ておこう。と、だれもがそう望んでいる??